一冊の書籍が世に出る前には、たくさんの紙が使われています。
「ゲラメモ」の「ゲラ」とは、書籍を出版する前に、すべての内容をチェックする「校正紙」のことです。
書籍をつくる過程で、原稿の文章修正や誤字脱字がないか、著者(作家)、編集者、校正者(校閲)らが「ゲラ」を見ながらチェックを行います。
かつては印刷会社から送られてくる「ゲラ」を使っていました。現在は出版社や制作関係者の間でデータをやり取りしながら、プリントアウトしたコピー用紙の「ゲラ」を使っています。プリントせずに画面上でデータに修正を入れるケースも増えていますが、紙面上でのチェックの方が確実であることから、今でもプリントした「ゲラ」を使っている出版社が数多くあります。
一冊の書籍から3冊分以上の「ゲラ」が出ます。
通常は書籍と同じ状態でデータをプリントして、最初のゲラ=「初校」と呼ばれるゲラをチェックし、修正指示の「朱字(あかじ)」を反映させたもの戻して、二回目の「再校」と呼ばれるゲラをチェックします。その次を「三校」、また、印刷に入稿する前の最終ゲラは「念校」といいます。
たとえば、200ページの書籍を出版するのに、一冊で200ページ3回分とすると、600ページ分の「ゲラ」が出ることになります。外部に出すものではないので、役目を終えると出版社内で再利用されることもありますが、多くはシュレッダーで処分され、もったいない扱いをされてしまうのも「ゲラ」なのです。
作家や著者による直筆の朱字が見つかるかも?
この「ゲラ」には、作家や出版・印刷業界人でなければ、なかなかお目にかかれません。目にしたことがない読者にとっては、興味をそそられるものでもあります。印刷される書籍の寸法に合わせた「トンボ」と呼ばれる印がついているのも特徴です。
まだパソコンがなかった時代、原稿用紙に万年筆で書かれた著名作家の生原稿は、「遺稿」として大切に保存されていました。ゲラにも作家が修正する手書きの「朱字」が入ります。どんな作家や著者のゲラなのか。「ゲラメモ」とは、紙が再利用される価値だけでなく、そんな誰もが裏をのぞいてみたくなる、ロマンがつまった「自由帳」なのです。
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